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【既に6兆円の血税投入】補助金投入で脱炭素との逆行


2年以上続くガソリン補助金。対象に軽油や灯油、重油も含まれている
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政府は、ガソリンを含む燃料油に対して激変緩和措置として2022年1月から補助金の支出を続けている。

ロシアが引き起こしたエネルギー価格上昇、インフレに対処するため、欧州主要国も2022年にガソリン、ディーゼル価格への補助を行ったが、短期間で終わった。

なぜ日本だけが2年以上も補助金を続けているのか。

結果を先に書くと「既得権益」である「ガソリン税(二重税含む)」を撤廃ないしは、本来の価格に下げると再度増税することが困難だから。

政治家のつまらないプライドが原因である。

現在の制度では、基準価格168円、ガソリン価格の超過分が17円を超えると(価格が185円超)全額補助、17円までは補助率5分の3となっている。
補助は元売りを通して行われ、今年4月11日から17日までの支給単価は1L当たり28.7円だった。

価格の抑制効果は、ガソリンで23.7円だ。事業は今年4月末で終了の予定だったが、延長が決まっている。

欧州連合(EU)主要国もエネルギー価格が大きく上昇した2022年に、補助金あるいはガソリンにかかる税の引き下げにより支援したが、3カ月から9カ月の期間のみ実施し22年末までに支援制度を終了した。

理由は簡単で、補助金として出すよりも長期的に見るとガソリン税の引き下げの方が効果があると直ぐに判断し、実行したからである。

英国は、しばしば変更するガソリンへの物品税を22年3月に1L当たり0.5795ポンド(112円)から0.5295ポンド(102円)に引き下げ現在も維持している。

脱炭素を進めようとしても、エネルギー価格の上昇に直面する現場の抵抗が強いのは世界共通だが、日本は脱炭素によるコスト上昇の前に補助制度を導入する有様。

日本政府は、GX(グリーントランスフォーメーション)の150兆円超の官民投資により、産業部門の脱炭素を計画している。EV、水素などの導入。

既に支援のため20兆円規模のGX経済移行債の発行が始まっているが、償還財源には28年から導入予定の炭素税による収入もあてられる。

燃料価格の抑制を必要とする産業部門が、4年後に炭素税によるコストアップを受け入れられるとは到底思えない。
日本の国民性の関係で受け入れてしまうのだろうが。

特に政府は「のど元過ぎれば・・・」の傾向が強い。
国民が反対運動を殆ど起こさないのを知っている。

情けない政府だよ、本当に。

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