深刻なPFAS(有機フッ素化合物の総称)による汚染が見つかった岡山県吉備中央町。
汚染源となった「使用済み活性炭」から検出された「特殊な4種類のPFAS」が、かつてPFOA(PFASの一種)を製造していた大阪府摂津市にあるダイキン工業淀川製作所近くの地下水からも検出された。
その「特殊なPFAS」が、新たに京都府綾部市や、三重県四日市市でも検出されたことが判明した。
死角だった「活性炭」という汚染拡散ルート。
詳細は後述するが、ダイキン工業が特許を持つ希少なPFASが含まれていた為、どうやらダイキン工業が汚染原因の可能性が高い。
国内で例のない高濃度の飲み水汚染を引き起こしたのは、使用済みの活性炭かもしれない。
残していた活性炭を調べて浮かび上がった「希少な4種類のPFAS」
ある調査によれば、日本には43府県の200を超える自治体にPFASを製造または使用している企業がある。
その中でも代表的なのが、AGC(旧旭硝子)、ダイキン工業、三井・ケマーズフロロプロダックツ(旧三井・デュポンフロロケミカル)の3社。
調査していくと、ダイキン工業の淀川製作所近くのサンプルからは、問題の使用済み活性炭に含まれていたのと同じ、PFOAと4種類の「H-PFAS」が検出された。
ほかに、PFOAの代替物質であるPFHpAやPFNA、PFDAも含まれていた。
活性炭と水(地下水)では吸着率が異なり単位も違うため単純に比べることはできないが、いずれも高濃度。
これまで環境中でほとんど検出されたことのない「H-PFAS」が岡山・吉備中央町にあった使用済み活性炭と、200キロ離れた大阪・摂津ダイキン工場近くの地下水からそれぞれ検出され、その組成も一致した。
ダイキン工業は検出された希少なPFASに関する特許も持っている。
専門家によれば「PFASの中でもきわめて稀な物質の組み合わせが、大阪と岡山でともに検出されたのは偶然とは考えづらい。ダイキンの工場で使われていたPFAS類が活性炭に吸着したまま岡山に運ばれた蓋然性は高いだろう」との事。
当然ダイキン工業は否定しているが、事実として検出されたPFASがここまで一致しているのだ。
調査が進めば、何かしらの対応に迫られるだろう。
政府は速やかに環境担当に指示を飛ばし、対応すべきである。
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