コメ価格高騰の裏にシステム開発巡る200億円損失穴埋め


JA全中の山野徹会長(Photo by 共同通信社

全国農業協同組合中央会JA全中)がシステム開発の失敗によって200億円規模の損失を出し、大手町「JAビル」の一部フロアの売却を検討していることが明らかになった。

JA全中の2024年3月末時点の純資産に該当する金額は221億円である。

今回の200億円の損失はそれを吹き飛ばしたのと同義。

しかも、収入源は全国の農協から集める会費であることも相まって、農協を指導する立場にあるJA全中の不要論が高まる可能性がある。

要はシステム開発の失敗による損失200億円を農協の会員費で補填すると言っているのである。

最悪なのはJAの無責任体質と、忖度をしなくなった小泉進次郎農水相率いる農水省を叩く始末。

それにしてもJA福井県の会長は、良く吠える。

「コメ価格高騰は生産者の為」と言っているが、JAへの忖度が無くなり、売る場所を生産者である農家が選択できるようになったから、良い方向に向かっていると思うけど。

本当にJAと農協は碌でもない組織だな。

但し、JAの組織改革に対する希望は残っている。

小泉進次郎農水相である。

小泉農相は2015年に農林部会長に就任し、農協改革に取り組んでいた。

問題視していたものの一つが、JAグループの運営体制だった。

小泉氏は金融機関として然るべき農業融資を行なうことや、補助金からの自立を求めた。

JAグループを切り分けて各地域の農協が独立し、地域の事情に沿ったサービスを提供することを目指したのだ。

権力を失ったJA全中は迷走しており、農協の幹部や職員からも冷ややかな目で見られている。

システム開発の失敗や資産運用の巨額損失により、世間の目も厳しさを増した。

小泉進次郎農水相のJA組織改革に期待する!

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