ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンはこのほど、全国20歳~69歳の男女5,000人を対象に「たばこに関する健康リスクの認識とたばこ増税に関する意識調査」を日本の市場調査会社に委託して実施し、その結果を発表した。
健康リスクを考慮してか、紙巻たばこから「iQOS(アイコス)」などの加熱式たばこに切り替える人が増えていると言われている。
ここに大きな認識の違いがある。
肝心な事を先に書こう。
フィリップモリス社は「iQOS」を日本全国で販売しているが、本国であるアメリカ国内では健康リスクを理由にその販売は許可されていない。
「加熱式タバコは安全」とのイメージは危険な誤解である。
例えば、加熱式タバコとして有名な「iQOS(アイコス)」を例に挙げてみよう。
「iQOS」は確かに従来の紙巻きタバコと異なり、有害物質(特にタール)はかなり抑えられている。
とは言え、強い依存性をもつニコチンは従来のタバコ同様に含まれている。
ニコチンとはアルカロイドの一種で、神経毒性の強い猛毒である。
化学物質としては毒物に指定されている。
ニコチンはたばこの葉に含まれており、喫煙によって体内に取り込まれる。
そして血液中のニコチンは急速に全身に広がる事は既にご存じのとおり。
これが本国であるアメリカで健康リスクに該当し、「iQOS」を販売できない理由である。
政府・与党は「加熱式たばこ」の税率を2026年度より引き上げて、「紙巻たばこ」と同税にする方向であると示している。
この政府の方針に対して「不公平だと思う」と言う方が多いらしい。
上記の「iQOS」の例で分かるように、加熱式たばこも紙巻たばこと同じである。
つまり、今回ばかりは政府の言っている事が正しいのである。
喫煙者は「受動喫煙」に対して無頓着だし、本当に困ったものだよ。
※関連情報
加熱式たばこが紙巻たばこと同じ税率になるなら4割以上の人が「不公平だと思う」